新築住宅におすすめの「経年美化」する床材
こんにちは。建築部の伊藤と申します。
私からは「Patina」を感じられる、天然木を使用したとても魅力的な床材をご紹介致します。
Patina(パティ-ナ)とはラテン語で「経年変化する味わい」という意味だと聞いた覚えがあります。
「経年劣化」や「経年変化」という言葉をみなさんはあまりお使いにならないかと思いますが、建築業界ではよく使われております。
「経年劣化」とは、年月が経つことにより自然と色あせるといった具合に、物そのものとしての価値が減少することを指します。
また「経年変化」も同じように、太陽光などを吸収し、時が経つにつれて色合いなどが変化することを指しますが、ほかにも、落ち着きや深みが増し、独特な風合いを醸しだしていくという意味があります。
こちらは、ご新築後10年が経過したお宅の床材の写真です。
床材が日焼けしており、新築当初の色合いから比較するとこのように変色して、とても深みのある色合いになっております。
こちらの床材は、朝日ウッドテックさんの建材で高性能かつ特殊な技術力で作られた「Live Natural」という複合フロ-リングです。
複合フロ-リングは、新築住宅でよく使われている床材ですが実はとっても優秀なのです。
近年、とても人気があり高級なイメ-ジのある「無垢フロ-リング」は、天然木100%の床板で、自然塗料などで仕上げることによって独特な芳香があり、肌触りもよく、年月が経過することによって徐々に表情を変えていきます。
長年に渡って風合いを楽しめるのが無垢の床材のとっても魅力的な部分です。
しかし、無垢材には少しだけデメリットもあります。
木の種類によっては柔らかく傷つきやすい、割れやねじれ、反りが起きやすい為、ご新築後の定期的なメンテナンスが必要となります。
そこで、なぜ「複合フロ-リング」が優秀なのかをご説明します。
まず、複合フロ-リングは、表面の化粧材によって「挽(ひ)き板・突き板・シ-ト」の3種類に分けられております。
中でも、一般的に幅広く活用されているのは「シート」を基材に貼り合わせたフロ-リングです。
表面がシ-トなので、お手入れもしやすく、天然材に比べて安価なので多くのお客様に選んでいただいております。
また、フロ-リング基材の特徴としては、膨張や伸縮が少なく温度や湿度の変化にも強く多用途な場所で活躍し、施工性にも優れています。
ですが、木目をプリントして表現している為、天然材ならではの風合いを楽しむことは出来ません。
そこで、天然材を好きな方におススメなのが「挽き板・突き板」フロ-リングです。
これらのフローリングは機能性の高い基材と、表面材に木材を「挽き」又は「スライス」したものを、貼り合わせた複合フロ-リングですので、踏み心地は無垢材と同じような質感で、天然木の風合いも感じることが出来る、実に「いいとこどり」の床材なのです。
日焼けをし、人に触れ、傷つき、また磨かれて・・・
時間が経つことによって、みすぼらしくすり減るのとは違って、徐々に魅力を増していく素材の味わいや美しさを、私は『経年美化』と呼んでおります。
『経年美化』を是非、皆さんにも、楽しみながら体感していただきたいです。
『やけるほど、愛着』がわいてきますよ!